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トップ 我流RPG制作論 そんな名前をつけないでそんな名前をつけないで名前が与える印象主人公の名前は『オレサマ』、ヒロインは『ブリコ』、敵役は『ワルオ』。 さて、このRPGにぴったりのタイトルは次のうちどれでしょう?
iはありがちな横文字タイトル。ちなみに『オーパーツ』と読んでもらいます。 ii,iiiはいずれも日本語タイトルですが・・・ ほとんどの方はiiがぴったりだと思ったのではないでしょうか? 主人公の名前がやや弾けた感じなので、 タイトルもそれに見合ったものを想像するのが普通なんですね。 では続いて、『アイリア』『パップピリン』『ゴルブーム』という名前の人物は、 それぞれ次のうちのどれに該当するでしょうか?
正解は『i:ゴルブーム:30代のおっさん』『ii:アイリア:10代の女の子』 『iii:パピリン:謎の生命体』でした。当たりましたでしょうか? もしこれが『ゴルブーム:10代の女の子』『アイリア:謎の生命体』 『パップピリン:おっさん』だったら、なんか違和感がありますよね? このように、名前には『それ自体が与える印象』というものがあるのです。 これは人物名だけでなく、ゲームタイトルや魔法・必殺技名、町名にも言えることです。 母音が『あ』『い』『え』中心な名前は女の子向け
母音が『あ』『い』『え』中心で構成されている名前は、
『女の子っぽい』印象を与えます。以下例をいくつか示します。
いずれも適当に文字を組み合わせただけの名前ですが、
女の子っぽい名前に見えますでしょう?
『ィ』『ア』で終わる名前は女の子向け
最後が『リィ』『ア』で終わる名前も同様に『女の子っぽい』印象を与えます。
以下例をいくつか示します。
『が行』が含まれる名前は力強い感じ
『が行』が含まれている名前は、
力強い印象を与えます。以下例をいくつか示します。
『半濁音』中心の名前は明るく、神秘的な感じ
『半濁音』が中心である名前は、明るく、神秘的な印象を与えます。
以下例をいくつか示します。
繰り返しの名前は幼い感じ
繰り返し表現を含む名前は、幼い印象を与えます。
以下例をいくつか示します。
『は行』中心な名前は柔らかい印象
『は行』中心で構成されている名前は、柔らかい印象を与えます。
以下例をいくつか示します。
『シュ』『ショ』が含まれる名前は爽やかでかっこいい印象
『シュ』『ショ』が含まれる名前は、さわやかでかっこいい印象を与えます。
以下例をいくつか示します。
応用編今までの知識を応用して、最適な名前をつけてみる事にします。 まずは・・・主人公の敵となる軍事国家と、その国の長の名前を考えてみましょう。 力強いイメージは『が行』でしたね。ということは・・・ガルゴレなんてどうでしょう? 何か怪獣っぽいですが、それはそれで仕方が無い事です。何しろ怪獣の名前自体が 同様の手法によって命名されているわけですから。ゴジラもガメラもが行でしょう? 続いて長の名前は、かっこいい感じにしてみましょうか。『シュ』を用いて・・・ シュレインなんてどうでしょう? ガルゴレ国のシュレイン大統領。 なんとなくそれっぽい名前に仕上がりましたね タイトル、アイテム、魔法・特技の名前を考えるこれらのネーミングは、人名や町名と違って、印象だけに頼る事はできません。 従って、新たに今までとは異なった手法を用いる必要があります。 私が用いている手順は、次のとおりです。
では、実際に上記の手順を踏んで、 昔話『桃太郎』に別タイトルをつけてみましょう。
とまぁ、こんな感じで連想していくわけですね。 vでは、ストーリーを思い浮かべながら、アイディアが出るまで、 ひたすらPCの前やお風呂の中で「う〜ん・・・」と唸りましょう(^^;) この時のポイントとしては、次の3つがあります。
リズムをよくするiに関しては、メインタイトルよりもサブタイトルで効果を発揮します。 リズムがいいというのは、俳句で使うような『五七五』や、 流れの美しい『三四五』等で文字が続く事をいいます。 例えば上で挙がった『母を訪ねて鬼退治』なんてのは、 『母を(3文字) 訪ねて(4文字) 鬼退治(5文字)』になるという、 リズムのいい文句の典型ですね。さすがにタイトルでは、 俳句のような『五七五』は長いのであまり使われません。 よく使われるのは「行け! 行け! 急げ!」 といった『二二三』とか、『俺は お前を 許さない』といった『三四五』、 『鬼の 目にも 団子』といった『三三三』、 『光の 道は 開かれた』といった『四三五』なんかですね。 基本的に数はあまり関係ありません。ポイントは読んだ時のリズムがいいこと・・・ こればかりはコツをつかむしかありません。 ちなみに第26話のタイトルも、『三四五』と結構リズムを良くしていたりします(^^;) できるだけ抽象的な表現を心がける桃太郎のお話はよく知られているので、 タイトルを『鬼退治』としても違和感はありませんが、 全くストーリーの知られていないRPGの場合、 タイトルにこういった語句を含める事は、あまりお勧めできません。 なぜならば、これによって途中で先の展開を読まれる危険性があるからです。 おそらく、鬼が登場した時点で、ほとんどのプレイヤーは先を読んでしまうでしょう。 第17話で述べたように、 プレイヤーに先の展開を読ませてはいけません。 よって、このような具体的なタイトルは避けるべきなのです。 理想的なのは、クリアして初めてタイトルの意味がわかるようなものですね。 桃太郎の例ですと、どんでん返しも何もあったものではないので、 ちょっと難しいのですが・・・終盤の展開を少しだけ変更して、 『実は桃太郎の生みの親は鬼だった』ということにすると、 『鬼の首と母の背中』とか『涙色の復讐』なんていいかもしれません。 詩的に魅せる詩的に魅せるコツは、あえておかしな表現を使うことです。 『我は行く。幸福の金棒を求めて』なんてその典型ですね。 正しくは『幸福の金棒を求めて我は行く』ですが、 順番を入れ替えることで、ちょっと変わった印象を与えています。 また、『幸福の金棒』というのは、それ単体では意味がわからないですが、 『金棒を持つ鬼を退治する事で、幸せを手に入れることができる』ということを この2つの単語の結びつきだけで表現しているわけですね。 他にも『空が泣いた夜』とか『小鳥が歌う』とか、 実際には用いられない表現を使うことで、 詩的に見せる事ができるわけです。 まとめ名称はそれ自体にイメージを持っています。 そのイメージに合った人物や町に名前をつけないと、 最悪の場合、世界観やその人物を破壊する事にもつながりかねません。 このことを常に意識して、最適な名前をつけるように心がけると良いでしょう。 [2005/02/06に書いたよー]トップ 我流RPG制作論 そんな名前をつけないで |
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