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 テーマは絞ろう

今日のおかずは目玉焼きです。さて、お塩におしょう油、ソース、マヨネーズ、 ケチャップ、バター、コショウどれをかけましょう? え? 全部? それは美味しそうですね。 もう1つ例を挙げましょう。今日の図工の時間はクジャクの絵を描きます。 クジャクって色鮮やかですから、赤の絵の具に青を混ぜて、 黄色も混ぜて、オレンジも、ピンクも、金色も、緑も・・・わぁ!  凄い綺麗な色になりましたね! ・・・なんてはずはありません。 基本的に色々な調味料や絵の具を混ぜると味や色は最悪になります。 これはもはや常識ですね。でも、料理や絵の具から離れると、 意外とこのことが頭から離れてしまったりします。

RPGに自分の考えや想いを込めて作ってらっしゃる方も多いと思います。 テーマを込めることによって、プレーヤーにメッセージを伝えることができます。 「ああ、制作者は、こんなことを言いたいんだな」なんて思わせたらしめたものです。 テーマって考え出すときりが無いくらい浮かんでくるんですよね。 『自然保護』『友情』『思いやり』『縦割り社会の弊害』等々。 せっかく考えたのですから、全部入れてしまいましょうか。 1つのイベントに1つのテーマを入れれば問題ないですよね・・・と。

ちょっと待ってください。

調味料や絵の具の話を思い出してください。混ぜるな危険の原則です。

RPGは『イベント+イベント+イベント=RPG』という形で構成されているので、 それぞれのイベントにテーマを持たせることが可能であると考えがちです。 私も忘れ手を作っていた頃はそうでした。 また、実際にこれをやっても、作っている間は、特に問題がないように感じられます。 しかし、全体を通してプレイしてみると、大きな問題が浮かび上がってくるんですね。 それは次の2点です。

  1. 全体として統一感がない『短編シナリオをくっつけたようなRPG』になりやすい
  2. 全体のテーマがわかりにくい
それぞれのイベントが独自のテーマを扱っている事を考えれば、 いずれもすんなり理解していただけると思います。

これはwebサイト作りでもよく言われることです。 webサイト作成初心者がよくやってしまう失敗として、 『俺流カレーの作り方』『5分でわかるドット絵講座』『誰でもできる天気予報』と言った、 まったく無関係のコンテンツを作ってしまうことが挙げられます。 色々なコンテンツがあれば、より多くの人が来てくれると思って、 こういったことをするのですが、実際は逆です。 コンテンツは狭く深い方がお客様はたくさん来るんですね。 それは、自分がよく行くサイトを考えてみるとわかるはずです。

とは言え、実は『○○になりやすい』『○○にくい』という表現をしたことからわかるように、 複数のテーマを取り入れたからといって、必ず失敗するというわけではありません。 しかし、慣れないうちは、1作品に込めるテーマは1つでいいと思います。 失敗したくないのでしたら、そうすべきです。 失敗した人がそういうのですから反面教師で従った方が良いと私は思います(^^;)


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