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 普通なんて『モノサシ』はない

後ろは崖、前には10人の敵兵、絶体絶命のこの状況・・・ 持っているアイテムは、煙草とライター、ナイフ、そして、100万Gの入ったバッグ。 敵兵の装備は、防弾チョッキとヘルメット、ハンドガン。 崖の高さは30メートル、およそ10階建ての建物の高さです。 下は海、もしかしたら、飛び降りても生き延びることができるかもしれません。 100万Gというのは、日本円に換金するとおよそ10億円です。 半分くらい渡せば、敵兵は見逃してくれるかもしれません。 さて、あなたならこの状況をどう切り抜けますか?

人によっては、「100万Gもあるのだから、半分を渡して見逃してもらおう」 と考えるかもしれません。また、運を天に任せて飛び降りる人もいるでしょう。 ナイフ片手に強行突破を試みる人もいるかもしれません。 映画のようにハードボイルドっぽく煙草を吸いだす人もいる・・・でしょうか(^^;) このように、人間は全く同じ状況下であっても、性格によって全く違う行動をとります。 これはRPGの世界でも同じことが言えます。

4人の主人公が幽霊に遭遇した状況を思い浮かべてみてください。 ここでやってしまいがちな失敗は、みんなが「きゃ〜!」「わぁ〜!」と驚いてしまうことです。 まあ、現実の人間ならばそうなるのでしょうが、RPGはそれではいけません。 RPGの世界では、主人公全員が普通の人間ではおもしろくないのです。 幽霊を見ても、全く驚くことなく「あれはどんな仕掛けなんだろう?」と 顎に手を当てて考える奴や、 「すみません。握手してください!」と驚くどころか喜ぶ奴がいた方がいいのです。 全員が驚くにしても、腰を抜かしてしまう奴、仲間を見捨てて走って逃げる奴、気絶する奴、 「ママー!」とか「ドラえもぉ〜ん!」と叫ぶ奴、 こんなのがいた方がRPGは絶対におもしろいのです。

では、どうすればキャラクターは生きるのでしょうか? ここでは、一般的に良く使われるであろう方法をご紹介します。 それは、「キャラクターの性格に自分がなりきる」ということです。 どんなに明るい性格の人でも、少しは暗い部分があるように、 人間なりきろうと思えばどの性格にもなれるものです。 なりきったら、「その時、こんな私ならどうするか?」と考えるのです。 弱虫ならありえないくらいに怖がる、見栄っ張りならおかしいくらいに強がる。 何でも極端にするのがコツです。

同じ弱虫や見栄っ張りでも人それぞれ違います。 普通の泣き虫や普通の自信家なんてものは存在しません。 当然普通の青年や普通の少女なんてのも有り得ません。 RPGも現実も、普通なんてモノサシは存在しないのです。十人十色というやつですね。 その事を意識してキャラクターを作ると、 案外あっさりといいキャラクターができあがるかもしれません。


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