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 同じものは要らない

 個性の無いダンジョン。特徴の無いボス。

ありがちなダンジョンの一つに迷路タイプがあります。これは入口を入るとその先に分かれ道がいくつかあって、 あっちへ行ったりこっちへ行ったり試行錯誤を繰り返しながら、最終的に出口へたどり着くというものです。 これはこれで、『体力やアイテムの残数とにらめっこしながら、先に進むべきか引き返すべきか迷う』 という面白さがあるわけですが、この面白さはRPGのダンジョンである以上、ほぼ当たり前のことなので、 それだけを持っていたからといって満足してはいけません。むしろ、これだけでは無個性と言うべきだと思います。 もしこの無個性なダンジョンが毎回毎回登場したらどうでしょう? きっとクリアするのが嫌になるはずです。

ボスに関しても同じような事が言えます。ただ他のモンスターより強くて、音楽が異なるだけ。 それではただ、プレイヤーに『食後の「ごちそうさま」』のような儀式的なものとしか認識されません。 ボスの威厳はどこへ行ってしまうのでしょう? やはりボスは『食後の「ごちそうさま」』ではなくて、 『食後のデザート』と認識され、食べる(戦う)のを楽しみにされるべきなのではないでしょうか?

 ダンジョンに個性を持たせる

個性を持たせる為に、各ダンジョンを森・洞窟・塔・城・人間の体内にしてみました。 果たしてこれらは個性があると言えるでしょうか? これなら確かに外観は変わり、 同じダンジョンであるという認識は無くなるでしょう。ですが、外見が変わっただけで することが同じなのでは意味が無く、個性があるとは言えません。 洞窟の分岐で迷うのも、人間の気管と食道を間違うのも、実際やっている事は同じなのです。

 個性を生み出す為の手段として考えられるのは次の三点です。
  1. 出現するモンスターの種類を変える
  2. 仕掛けを変える
  3. 独自のルールを設ける

一つ目は『物理攻撃が効かない』や『状態異常攻撃をしてくる』等、出現するモンスターの種類を分けることによって、 個性を作り出す方法です。これによって『アクセサリーの選択』『回復アイテムの購入』等、 各ダンジョンによって異なる行動をさせることができます。

二つ目はダンジョンの先へ進むために行う必要のある行動 (スイッチを押す、石像を特定の位置に動かす等)を変えることによって個性を作り出すというものです。 これによって各ダンジョンごとに異なる行動をプレイヤーにとらせることができます。

三つ目は『一歩ごとにMPが一ずつ減る』『メニュー画面が開けない』『一定時間ごとに特定のポイントで酸素を吸う』 等、各ダンジョンごとに独自のルールを設けることによって個性を作り出すというものです。 これは三つの中で一番効果があると思われます。

 ボスに特徴を持たせる

特徴を持たせる為の手段として考えられるのは次の二点です。

  1. 弱点・行動方法を変える
  2. 独自のルールを設ける

一つ目はボスの弱点や行動を変える事によって、特徴を作り出すという方法です。 行わせる行動を各ボス独自のものにすれば、『それぞれ違った戦い方を考える楽しみ』が生まれることでしょう。

二つ目は『時間制限付き』や『特定の敵を殺してはいけない』等の、 そのボス戦独自のルールを設けることによって特徴を作り出そうという方法です。

 個性や特徴を持たせるコツ

個性や特徴を持たせるコツは、そのダンジョンについて想像することです。 例えばそこが死の沼と呼ばれる湿地帯だとしてみましょう。毒の沼ということで、 特定のアクセサリーを装備していないとダメージを食らうことになります。(ダンジョン方法iii) モンスターはその過酷な環境でも生活している生命力の高い奴等です。 毒攻撃は当然効かず、これといった弱点もありません。(ダンジョン方法i) 先に進む為には、この毒沼を元の綺麗な湖に戻す必要があり、 それには毒沼に近くの川から清水を流し込む必要があります。(ダンジョン方法ii)

毒沼に清水を流し始めた時、毒沼の清浄化を拒んだモンスターが襲い掛かってきます。 ここが毒沼になった原因はこのモンスターにあったのです。このモンスターは、 時々パーティー全体に猛毒の息を吹きかけてきます。これを防ぐためには特定のアクセサリー を装備しておく必要があります。(ボス方法i)死の森と化した原因のモンスターが 飛び出してきたことにより、森全体が毒素に取り囲まれてしまいます。 こんな環境では5分と体がもたないかもしれません・・・(ボス方法ii)

このようにダンジョンを想像することによって、各方法を利用する事ができます。 「たかがダンジョン。ただの通り道さ」などと考えずに、個性のあるダンジョン、 特徴のあるボスを作り出して、ダンジョンだけでも楽しめるRPGを目指すと良いかもしれません。


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