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トップ 我流RPG制作論 弱点を突け弱点を突け主人公に「弱点」が無いと・・・「出来杉の奴、また静香ちゃんといちゃいちゃしちゃって!」 のび太君はよくこう嘆きます。そして、ドラえもんの道具を借りて、 自分も静香ちゃんにモテようとするか、または出来杉君をひどい目に合わせるでしょう。 これはよくあるパターンですが、これが成立するのは、 あくまで『のび太君』が主人公であるからなんですよね。 普段はどうしようもないのび太君が、秘密道具の力を借りているとは言え、 普段どう頑張っても勝てない出来杉君やジャイアンに打ち勝つから、 そこにドラマが生まれるのです(最近はワンパターン化してきて、 これだけじゃドラマは生まれなくなってきましたけどね^^;) もし出来杉君が主人公だったら、「ああ、今日も無事いちゃいちゃしてるな〜」 「のび太君が邪魔しにきたけど、何か自爆しちゃったみたい(大概このオチで終わる^^;)」 『秘密道具を使って邪魔してくるのび太君をいかに回避するか』という観点から見れば、 ちょっと面白いかもしれませんが、劇的な展開は期待できないでしょう。
これはRPGの主人公にも同じことが言えます。
もし、出来杉君がRPGの主人公だったらどうでしょう?
黒幕の妨害を自らの優れた才能で何とか乗り越え、あっさり黒幕をやっつけた。
例え完璧なシナリオだったとしても(なり得ませんが...)、
何か物足りない感じがするはずです。そう、出来杉君は完璧過ぎるのです。
強い人間が、弱い人間を倒すのを見ていても、劇的ではないのですね。
(トムとジェリーのようなコメディ路線を目指すのならば、
それはそれでありですが^^;) 『弱点』を上手く使ったショートストーリー今度は弱点を持った出来杉君の物語を考えてみましょう。 何に対しても完璧な出来杉君ですが、実は幼稚園の頃にショートカットの女の子にいじめられた経験があり、 ショートカットの女の子に対して、無意識に冷たく当たってしまうのでした・・・という設定にしましょう(^^;) 林間学校の班決めで、運の悪いことにショートカットの女の子(いじめっ子とは別)と 同じ班になってしまう出来杉君。当日、もちろん一言も口を聞きません。 2日目の肝試しの時、ある事件が起きました。 肝試しの舞台の廃墟の学校に住んでいた幽霊が突如暴れだし、 児童たちを次々と霊界へと連れて行ってしまったのです。 ショートカットの女の子が、霊界へ連れて行かれる間際「助けて」と、 出来杉君に手を差し伸べます。しかし、出来杉君は何もしてあげませんでした。 正確には、いじめられた時を思い出し、何もできなかったのです。 結局出来杉君も、霊界へと連れて行かれてしまいました。 気付いた時にはショートカットの女の子と2人きり。 置いていくわけにはいかないので、仕方なく2人で行動することにしました。 それでもやっぱり口は聞きません。 霊界に住んで300年という老人の話によると、元の世界に戻る為には、 現実世界で暴れているあの霊を浄霊する必要があるとか。 その為には、あの霊の未練を調べ、解消しなければならないらしいのです。 協力して未練を探す2人。そして、少しずつ打ち解けていきます。 ついに未練を解消する2人。しかし、幽霊が最後の力を振り絞って、 ショートカットの女の子を再び霊界へ連れて行こうとします。 「助けて」再び同じ状況が目の前に展開します。でも、今の出来杉君は違いました。 彼女の手を取って、こっちの世界へ引っぱり戻したのです。こうして事件は解決しました。 出来杉君はもう。ショートカットを気にしません。それどころか、彼女のことが・・・ まとめと、こんな感じになります。同じ展開で、弱点のない時も考えてみてください。 どうですか? このように、主人公が弱点を克服するというだけで、 大分ドラマティックに仕上がるのです。 「助けてイベント」のように、克服する前と後で違う行動を取らせるのがポイントです。 しかし、この時出来杉君は「自分が変わったこと」に、自分では気付きません。 「僕、変わったな」何て思う人間はおそらくいないでしょう。 「君変わったね」と言われて初めて気付くのが普通です。 また、「弱点」には、キャラクターを活き活きと見せるという働きもあります。 まさにこれは一石二鳥です。上手く活用して、面白いストーリーを考えてみてください。 トップ 我流RPG制作論 弱点を突け |
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