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トップ 我流RPG制作論 人生経験からネタをもらう人生経験からネタをもらう「ネタに困った」という言葉をよく耳にします。ストーリーを考えていく以上、いつかは遭遇する問題です。 しかし、それは、ネタを考えることができなくなったのではなくて、今までの経験の中で自分が ドラマティックだなと思ったものを使い果たしたというだけなのです。つまり、またドラマティックな経験を すれば、ネタは自然と作り出せるということになります。そこで作家さんなどは息抜きに外へ行ったり、 別のことを『経験』したりするわけなのです。とは言え、そう簡単に劇的な経験ができるわけではありませんよね。 そんな時は身近な何かに注目してみてください。あなたのパソコンの近くには何か置いてありませんか? なるべく人生経験豊富そうな古い物を探してみてください。それとあなたの接する機会が多かったものがいいですね。 私のパソコン周りには計算機が置いてあります。某大手電気屋で280円で購入したやつです。今回私は彼に 注目してネタ探しをしてみたいと思います。皆さんもこれを読んだ後、自分の身近なものでネタを探してみてください。 1号2号と呼ばないで僕は小型の計算機。今では珍しくなくなったけど、 ソーラーパネル内臓だから、電池の要らない優れものなんだ。 両親の顔は見たことが無いけど、兄弟がたくさんいるから、 きっと会っても僕達をを見分けることなんかできないだろうな。 生まれたと思ったらみんな同じ服を着せられ、 船に乗せられ、知らない国に連れて行かれたんだ。 みんな同じ顔だから、同じ服を着たら全く見分けがつかないよ・・・ 同じ『計算機』と呼ばれるものでも、僕達よりずっと大きくて立派なものには、 シリアルナンバーってのが付いているんだ。 あいつらは1人1人が区別される。けっ・・・なんであいつらだけ... 長い船旅の中で、隣にいたポッケ君と友達になったんだ。 彼は顔、服、姿、そして考えていることも、何から何まで僕と一緒だった。 唯一違う点は、僕は箱の右から2番目にいたのに対して、 彼は3番目にいたということだけ。自分と話しているみたいで、 なんか変な感じだ・・・知らない国につくと、兄弟達は箱ごとに違うトラックに乗せられ、 それぞれ別々の場所へ連れて行かれたんだ。 僕の箱の中には一人、2の数字が2つある子がいた。 兄弟みんな2は1つなのに、どうしてあの子だけ2が2つあるんだろう? 「2は2つもいらないんだよ!」「うわ〜きも〜い」みんなはその子をいじめた。 お店につくと、「これじゃあ売れないよな」って、お店の人までその子をいじめたんだ。 その子はただ2のボタンが2つあるというだけで、 機能的には全く問題無いのに、殺されることになった。 僕と全く同じ外観で、同じ知能を持っているものが、 いとも簡単に殺される所を見て、僕はなんだか怖くなった。 お店には色々な計算機が置いてあったんだ。でも、その中で一番安いのは僕たちだった。 聞いた話では、安物は乱暴に扱われ、すぐに捨てられてしまうとか。 「なぁお前ら、もしかしてネジ巻き式?」周りの高い計算機がひやかしてきた。 「何でそんなに安いの? もしかして、捨てられたペットボトルから作られてんじゃね?」 「9桁しか表示できないの? だっさ」僕・・・もっと高い計算機に生まれたかった。 でも、それは今更どうにもならないこと。僕は・・・安いだけしかとりえが無いのかな・・・? すぐに捨てられて・・・ガラクタになるのかな? ある日、ポッケ君が買われてしまった。もう一生会えない。 もし会ったとしても、それがポッケ君かどうかはわからない。 だって、僕らは全く同じ外観に全く同じ機能だから・・・さよなら、ポッケ君。 僕が買われたのは、それから3日後だった。 男の子が、大切そうに僕をレジまで持っていき、自転車でその子の家まで連れて行ったんだ。 あれからもう10年になるか・・・その子は今でも僕を愛用してくれている。 僕の値段は280円。世間からすれば安物だけど、 月の小遣いが500円だった小学生からすれば、結構な買い物なんだよね。 安物だからって乱暴に扱われる事はなかった・・・いや、少なかった。 10年経ってもこうして現役でいられるのが何よりの証拠。 最近ボタンがちょっと押しにくくなってきたけど、それは僕の個性だと思うと、 なんだか幸せな気分になってくる。僕はもう量産型ではない。 この世に同じものは存在しない、世界でたった一つの計算機なんだ。 とまぁ、そっと耳を傾けると、こんな人生を語りだすわけです。 これから次のようなネタが生まれました。
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